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リポバッテリーの取り扱いについて
リポバッテリーの取り扱いについて

正しい知識でリポバッテリーを使いこなそう!

リポバッテリーはニッケル水素バッテリーと比べて高電圧・高容量・軽量と良い事ずくめなのですが、取り扱いを誤ると最悪の場合、出火する事もあり初心者にはハードルが高いバッテリー・・・。
しかし取り扱い方をしっかり理解出来ていれば危険なことはなく、安全に使用できます。
長文になりますが最後まで一読頂き、頭の片隅にでも入れて頂ければ幸いです。

リポバッテリーの基礎知識

まずリポバッテリーについて基本的な事から説明しようと思います。

■定格電圧

リポバッテリーとはリチウムポリマーバッテリーの略。定格電圧が1セル3.7V。通常1/10電動RCカーで使用するのは2セルバッテリーになりますので定格電圧は7.4Vとなりますが、フル充電した際の電圧は8.4Vになり、従来まで主流だったニッケル水素6セルバッテリーと比較すると定格電圧はリポバッテリーの方が高くパワフルです。

■定格出力

リポバッテリーには「○○C」と言うように出力表示がされております。この出力表示にバッテリー容量の数値を乗じた値がそのリポバッテリーの定格出力となります。 この定格出力が使用するアンプの定格出力より高いバッテリーを使う必要がありますので、リポバッテリーを購入される際には使用しているアンプの定格出力を知っておく必要があります。(理由は後述)
4000mAh 7.4V 25C リポバッテリー
例えば左の画像のリポバッテリーの場合ではバッテリー容量が4000mAh、出力表示は25Cですので定格出力は100Aとなります。私が使用しているアンプの定格出力は65Aなので問題ありません。 このバッテリー定格出力。この値を越えて使用した場合、バッテリーの放電能力が追いつかず過放電となってしまい、非常に危険です。最悪出火・爆発の危険性も有る為、購入時にはよく確認した上で購入しましょう。

■重量

リポバッテリーの重量は同じバッテリー容量のニッケル水素バッテリーと比較した場合、平均200g程軽く、シャーシへ搭載する場合のウエイトバランスを考慮する必要があります。最近流行のバッテリー中央縦置きレイアウトや横置きレイアウトの場合はさほど気にする必要はありませんが、シャフトドライブ等の片側バッテリー縦置きレイアウトでは左右の重量差が大きくなる事も考えられるのでセッティングの見直しが必要になる事もあるかもしれません。

コネクタは大容量タイプに交換!

2Pコネクタに交換
リポバッテリーを使用する際に、気を付けたいのがコネクタ。 いわゆるタミヤコネクタでは駄目。タミヤコネクタの定格電流値は最大15Aとリポバッテリーのような高出力には耐えられません。 その為、購入したリポバッテリーにタミヤコネクタが予め接続されていたとしても、2Pコネクタなどの高出力にも耐えうるコネクタに交換する必要があります。

充電時の注意事項

■リポバッテリー対応充電器を使用する

リポ対応充電器
リポバッテリーはリポバッテリーに対応した専用充電器で充電しなければなりません。リポバッテリーはニッケル水素やニッカドバッテリーと違い、デルタピークが検出出来ずニッケル水素用充電器で充電するとオートカットが作動せず過充電となり最悪出火・爆発してしまいますので、くれぐれもご注意を。

■充電電流について

通常、リポバッテリーでの充電電流は1C充電が基本。バッテリー容量がそのまま充電電流値となります。
その為、4000mAhのリポバッテリーなら4Aで充電する事になります。 ただ充電器によってはバッテリー容量を設定する事により自動的に充電電流を設定する機種もありますので使用する充電器の仕様を確認しておく事が大切です。 最近では1C以上の充電電流に耐えうる高性能リポバッテリーも販売されていますので上記の限りではありませんが、高電流で充電した場合、バッテリーの寿命が短くなるケースもあるようですので事前に調べておきましょう。

■出来るだけバランス充電を!

リポバッテリー対応充電器でもバランス充電が出来る充電器を使う必要があります。
基礎知識の項目で通常2セルのリポバッテリーを使用すると書きましたが、このセル同士の電圧差が崩れてもセルを傷める原因となる為、バランス充電と呼ばれるセル間のバラツキを調整する充電方式が必要となります。
今時売られているリポバッテリー対応充電器ではバランス充電に対応している物が殆どだと思いますが、充電時の設定でバランス充電しない設定も有る為、充電時に確認した上で充電スタートしましょう。出来れば毎回バランス充電を行う方がイイですね。少し充電完了時間が遅くなりますが、バッテリーを傷めない為にも重要です。

使用時の注意事項

■リポカット機能付きアンプを使用する

リポバッテリーを使用中に気を付けたい事の最大のポイントは過放電。
リポバッテリーは過放電に弱く、放電しすぎるとセルが痛み、充電出来なくなります。 その為、過放電を防ぐリポカット機能が付いているアンプを使用する必要があります。
大抵のブラシレスモーター対応アンプにはリポカット機能が設定出来るようになっていますが、カット電圧を設定出来るアンプの場合、出来るだけ高い数値に設定する事をオススメします。 と言うのも電圧が下がってくるとセル間のバランスも崩れやすくバラツキが出やすくなる為です。1セル3.0Vを下回ると危険度が高くなり、1セル2.7V以下になるとセルを傷める可能性が非常に高くなる為、カット電圧の設定は1セル辺り2.8V以上にする事をオススメします。

■逆接・ショートをさせない

逆接やショートも気を付けたいところ。一発で駄目になる場合もありますからね。
逆接・ショートさせた場合、バッテリー内部でもショートが起こり、最悪出火・爆発の可能性もあり大変危険です。またバッテリーを傷めるだけじゃなく、アンプも壊れる場合も多い為、リポバッテリーの接続は確実に確認した上で行いましょう。

保管時の注意事項

■フル充電及び使用済みの状態で保管しない

リポバッテリーが過充電及び過放電に弱い事は既に記述しましたが、これは保管時にも当てはまります。
「何故保管時に?」とお思いでしょうが、バッテリー電圧は外気温により多少変動する為、フル充電の状態や使用後の空の状態で保管しておくと、場合によっては何もしていないのに過充電・過放電となってしまい、バッテリーを傷める事になる恐れもあります。
保管時の理想的な容量は約70%と言われています。また電圧で言えば1セル辺り3.7V程度が安心出来る数値です。充電器によっては保管時にベストな容量に自動的に充放電出来るストアモードが搭載されている機種もありますので、使用する充電器を確認して最適な電圧で保管するよう心掛けましょう。

■温度差の激しい環境で保管しない

先の説明にも有るとおり、バッテリー電圧は外気温により多少変動します。
その為、出来るだけ温度変化が少ない環境で保管する事が望ましいです。例えば空調の効いた室内で充電してから屋外に持ち出す際等、外気との温度差には要注意。特に真夏の炎天下や真冬の冷え込んだ時期に車に積み込む時は気を付けましょう。
以前購入したリポバッテリーに付属していた説明書には40度以上の高温になる場所及び0度以下の低温になる場所での保管は駄目だと記述してありましたので室内保管でも地域や保管場所によっては危険な場合もある事を知っておいて下さい。

こんな場合は気をつけろ!

以下に挙げる項目はリポバッテリーが痛んだ際に起こる現象です。気を付けて!

■リポバッテリーが膨らむ

俗に「妊娠」とも言われていますが、リポバッテリーはセルが痛むと膨らんできます。
セルが劣化する際に発生するガスが原因です。このガスが可燃性で外気に触れると発火する可能性が非常に高く危険な為、膨らんできたリポバッテリーは即座に処分しましょう。
どの程度膨らんだら処分するのか?の判断が難しいところですが、ハードケース入りのリポバッテリーの場合はハードケースの合わせ面が目安になります。隙間が大きくなれば処分と覚えておけばOKです。

■リンゴのような匂いがする

これはリポバッテリーが劣化した際に発生するガスの匂いと言われています。
こうなったら一刻も早く処分してください!

リポバッテリーの処分について

リポバッテリーの処分方法については難しいところですが、まずは地方自治体による回収があるか調べてみましょう。場合によっては電気屋等で回収してくれる場合もあります。その際はバッテリーケーブルを絶縁しておく事をお忘れ無く。また最寄りのラジコンショップに相談してみるのもいいでしょう。
もしリポバッテリーが膨らんだり、リンゴ臭がして危険な場合は5%程度の塩水にリポバッテリーを数日浸けて徐々に放電させた上で不燃ゴミに出せば良いとの話を聞きました。ゴミとして処分する場合は地方自治体の処分方法に基づく必要がありますのでご注意下さい。